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処理細菌の診断

処理細菌の簡易診断法について

顕微鏡での観察と、廃水を実際に処理している細菌の数、分解能力を調べます。現状の処理施設の状況を、総合的に判断します。

 

1・位相差顕微鏡による検鏡判定

a. 今までの検鏡の問題点

今までは主に原生動物をカウントして処理の指標としていましたが、原生動物がいない処理場、また原生動物がいても世代時間が長いため、流入変動の大きい処理場では指標とならないことが多く、顕微鏡での処理診断は確率が低く確かなものではありませんでした。

b. すべての有機廃水処理に対応できる新しい検鏡の方法

< 検鏡の項目 >

 

  • 活性汚泥のフロックとフロックの間の菌体の浮遊
  • 菌体のフィラメント化の状況
  • 活性汚泥のフロックの中のバチルス菌の胞子
  • ラセン菌、イオウ細菌、光合成細菌、放線菌の状況
  • セルロースの分解
  • 原生動物 ・後生動物

世代時間の短い細菌を見ることにより的確にその時の状況を判断することができるため、次の対応を行うことができます。

 

活性汚泥の比較(運転条件による汚泥の状態)

状態の良い時(大きなフロック)

過曝気の時(フロック解体)

高負荷の時(菌体の浮遊)

菌体濃度不足(糸状態細菌)

 2・処理細菌の分解能力試験

有機廃水の成分としては大きく分けて糖質、タンパク質、脂質であり、処理細菌がこれらを分解できるか、できないかで処理が決まってしまいます。この内、糖質とタンパク質の分解能力は、臭気と汚泥発生量に大きな影響があります。そのため、糖質の分解能力を見るため澱粉の分解試験、タンパク質の分解能力を見るためクックドミートの分解試験をおこないます。通常、澱粉、クックドミートとも好気性の細菌では、分解するものが少ないとされています。又、脂質についてはバチルス菌を含め、脂質を好んで分解する細菌が自然界に多く存在しているため、試験項目から外してあります。

一般的に、処理細菌の数はよく言われていますが、分解の能力の大小を言う診断方法は無く、同じバチルスサブチルスなど、どれでも能力は同じと考えられていますが、澱粉、クックドミートを分解する速度、分解する量がそれぞれ違うため、菌体の数と菌体能力を加味して活性汚泥中の処理細菌の分解能力を診断する必要があります。

 

3・まとめ

位相差顕微鏡による検鏡判定と、処理細菌の分解能力試験のどちらか1つでも処理の状況を診断することはできますが、2つを合わせて診断することによりさらに確率の高い診断をすることができます。この方法では、検鏡判定はその場で行えるため状況に応じて直ぐ対応をとることもできます。

また、分解能力試験の中の処理細菌数、バチルス菌の数、澱粉分解能力試験は2日後に、クックドミート分解能力試験は7日後に診断を行うことができます。その他、必要な場合にはバチルス菌の胞子化数もカウントいたします。

この診断方法は特許取得済みです。

 

4・処理細菌の簡易診断フローシート