未来型散気管 空海
『空気を空気で砕く五角形型衝突エアレータ』
”空海”は、高速で噴出した空気と、液中の有機物・活性汚泥を激しく揺さぶり、渦巻き混合流にして空気(酸素)を擦り込みます。従来の散気方式でなく、新発想による五角形型衝突式エアレータです。
1.原理
高速で噴出した空気は、エアーリフト効果と相乗して、曝気槽下底部の活性汚泥を吸い上げます。垂直に上昇する空気に対して、五角形型筒内を渦巻き状混合流となり流れる水流が衝突して空気を微細化し、これを繰り返して酸素溶解効率を高めます。
”空海”は、液中の有機物・活性汚泥を激しく揺さぶり、クラッシュさせた空気(酸素)を擦り込む、新発想の散気装置です。従来型微細気泡方式では、装置吐出口上面は気泡流により攪拌できますが、この面より下側に気泡流が届きにくいため、汚泥が堆積してしまいます。
衝突式エアレータ”空海”は、エアリフト効果により循環流を発生させます。
『エア吹出口より、水深圧と同圧のエアを供給』⇒『エアに引きずられて、エア量の約1.3倍の水(活性汚泥)がエアレータ内部へと引き込まれる』⇒『エアと水(活性汚泥)は強力な上昇流になる』⇒『エアレータ内部にある凹凸および、構造形体によりエアと水(活性汚泥)を渦巻き状に混合する』⇒『混合されたエアと水(活性汚泥)は、水面へと強力にうち上げられる』⇒『うち上げられた混合水は循環作用・旋回流を発生させ槽底部へ導かれる』⇒『槽底部を洗い流した微細気泡水は、再びエアレータ内部へ引き込まれる』・・・・これを繰り返します。
2.特徴
1)目詰まりがない
1mm以下の細孔・スリットに対し、φ30mm相当の大口径です。どちらが目詰まりするか明白です。
長期間安定した能力が継続できます。
2)曝気槽内での、溶存酸素のバラつきが少ない・酸素溶解効率が高い
微細気泡方式では、エアーリフト効果、攪拌面積が小さく、旋回流が弱いため、曝気槽上層部での溶存酸素量は多いが、槽底部ではほとんど溶存酸素量が上昇しない。 ”空海”は、混合筒内でのエアーリフト効果が大きく、槽底部より吸い込んだ汚泥と空気を衝突・渦巻き混合し上昇流により拡散することで、強力な旋回流が発生、曝気槽全体の溶存酸素量が上昇します。
3)底部にヘドロ(堆積汚泥)が溜まりにくい
エアーレータそのものが、エアリフトポンプとなるので槽内の汚泥滞留および、底部汚泥の堆積がしにくくなる。
4)動力費が安くなる
吹き出し口径が大きくなるほど圧力損失が少なくなり、ブロワーにかかる負担が少なくなるため、電気代などの経費が抑えられます。
下水道展(2007)での実証実験の様子
ビーズ(模擬汚泥)が集まり、渦巻き流となり、内部へと引き込まれていく(240l/min)
エアレータ設置工事